食事
―毎日の「食べ方」を変えることが、将来の健康を守る第一歩―
私たちの身近にある「生活習慣病」。高血圧、糖尿病、脂質異常症、心疾患など、名前を聞いたことはあっても、「自分にはまだ関係ない」と感じている方も多いかもしれません。しかし、これらの病気はある日突然発症するものではなく、日々の生活習慣の積み重ねによって少しずつ進行していきます。
中でも、食事は生活習慣病と最も深く関わる要素の一つです。本記事では、「食事」という視点から生活習慣病を見つめ直し、今日からできる具体的な改善ポイントを丁寧に解説します。

生活習慣病とは、食事、運動、休養、喫煙、飲酒など、日常の生活習慣が発症や進行に深く関わる疾患の総称です。遺伝的要因も影響しますが、多くの場合、生活習慣を見直すことで予防や進行の抑制が可能であることがわかっています。
つまり、生活習慣病対策とは「特別なことをする」のではなく、毎日の生活を少しずつ整えていくことなのです。

忙しい現代社会では、「1日2食」「1日1食」といった食生活を送っている人も少なくありません。しかし、欠食には思わぬリスクが潜んでいます。
近年の研究では、1日1~2食の人は、総摂取エネルギーが少なくても肥満になりやすい可能性が指摘されています。さらに、1日3食を摂る人と2食の人を比べると、2食の人の方が膵臓への負担が大きいこともわかっています。
特に重要なのが「朝食」です。朝食を毎日摂る人は、欠食する人に比べて糖尿病の発症率がおよそ4割も低いという報告があります。
朝食を抜くことで血糖値の変動が大きくなり、膵臓に負担がかかりやすくなる結果、肥満や糖尿病のリスクが高まってしまうのです。
欠食のある方は、まず「1日3食」を目標にしましょう。特に朝食を抜いている方は、少量でもよいので朝に栄養を入れる習慣を意識してみてください。
これだけでも十分なスタートです。また、夜食を食べている方は、その分を朝に回すのもおすすめです。健康の基本は「早寝・早起き」。朝の時間がなくて食べられないという方ほど、生活リズムの見直しが重要です。
基本の3食に慣れてきたら、
①エネルギー源(主食)
②たんぱく源(主菜)
③体調を整える栄養(野菜・副菜)
を揃えた食事を目指してみましょう。

外食や中食(コンビニや惣菜)は、忙しい人にとって心強い存在です。しかし、その特徴を理解せずに利用すると、生活習慣病のリスクが高まります。
「もったいないから」と無理に完食せず、自分に必要な量だけ食べる意識を持ちましょう。可能であれば、注文時にご飯を少なめにしてもらうのも有効です。
大手チェーン店を中心に、カロリーや食塩相当量を表示している店舗が増えています。こうした情報を参考に、比較して選ぶ習慣をつけることが大切です。
一汁三菜が揃った和風定食を選んだり、サラダや野菜の小鉢を追加したりすることで、栄養の偏りを防ぐことができます。

間食や夜食は、知らないうちにエネルギー過多になりやすいポイントです。
商品を選ぶ際は、成分表示を確認する習慣を持ちましょう。
厚生労働省では、食事以外から摂るエネルギーは1日200キロカロリー以内に抑えることが望ましいとしています。

お酒は「エンプティーカロリー」と呼ばれ、エネルギーはあるものの栄養価はほとんどありません。これは「太らない」という意味ではありません。
アルコールはエネルギー全体を押し上げ、余った分は体脂肪として蓄えられます。
アルコールは1gあたり7キロカロリーと、糖質よりも高エネルギーです。「糖質ゼロ」のお酒でも、アルコール度数が高ければ高カロリーになります。
「健康日本21」に基づく指針では、1回の飲酒量として
目安としては、
が基準です。
理想は飲まないことですが、急にやめるのは難しいものです。
人生には楽しみも必要です。まずは「今より減らす」ことを目標にしましょう。
小さな積み重ねが大切です。

私たちの身体は、日々食べたもので作られています。食事を意識することは、病気になりにくい身体を作る第一歩です。
健診を受け、自分の健康状態を知りましょう。そのうえで、食生活を振り返ることが大切です。
生活環境や働き方、経済状況は人それぞれです。
「分かっていてもできない」こともあります。そんな時は、一人で悩まず、医師や管理栄養士など専門家に相談することをおすすめします。
毎日の食事を少し見直すことが、未来の健康を守る確かな力になります。今日できることから、無理なく始めていきましょう。