食事
私たちが「健康に長生きしたい」と願うとき、ただ寿命そのものを延ばすだけでは意味がありません。大切なのは、人生の後半まで自立して自由に生活でき、身体的にも精神的にも健やかに過ごせる「健康寿命」を伸ばすことです。しかし現状、平均寿命と健康寿命には依然として大きな差があり、この差を縮めることが私たちの課題となっています。本記事では、健康寿命とは何か、そしてそれを延ばすための基本となる“毎日の食事のあり方”について、分かりやすく解説していきます。
寿命には「平均寿命」と「健康寿命」の2種類があります。
2019年のデータでは、男性は平均寿命―健康寿命=約8. 7年、女性は約12年もの差があります。これは、人生の最期の約10年前後を、何らかの病気や身体的制限とともに過ごしているということを意味します。この差をいかに縮めるかが、健康づくりの重要なテーマとなっています。

健康寿命は、特定の病気だけでなく、生活習慣全般の影響を受けます。代表的な要因には次のようなものがあります。
特に糖尿病が進行すると、以下のような合併症が発生し、生活の質が大きく低下します。
<三大合併症>
<大血管障害>
<その他>

これらの多くは、血糖値の悪化が引き金となります。つまり、糖尿病を予防・改善することは、健康寿命を延ばすうえで非常に重要なのです。
血糖コントロールの状態を示す指標として「HbA1c」があります。これは、過去1〜2か月の平均的な血糖値を示すもので、糖尿病治療の中心的な数値となっています。
アメリカの研究では、以下のような興味深い結果が示されています。
つまり、血糖値を良好に保つほど、健康に過ごせる期間が大きく増えるのです。
糖尿病の合併症を防ぐための目標は HbA1c 7.0%未満 とされています。
血糖値を改善する方法は大きく3つです。
中でも、最も効果が大きく、誰でも今日から取り組めるのが 食事療法 です。
運動や薬を取り入れていても、食習慣に問題があれば血糖値は改善しません。
逆に、食事を見直すことで、健康寿命は確実に延ばせます。
健康的な食生活の土台となるのが、「栄養3・3運動」と呼ばれるものです。
とてもシンプルですが、継続すれば確実に効果が出る方法です。
食事回数が少ないと、1回あたりの食後血糖値が急上昇し、血糖コントロールを悪化させます。 逆に、
これらを意識することで、血糖値の乱高下を防ぐことができます。
欠食・ドカ食い・まとめ食いは血糖値を最も悪化させる行動です。
間食を食事ごとに取っていると、血糖値が下がるタイミングがなく、夕方にかけて高い状態が続いてしまいます。完全に禁止する必要はありませんが、
これらを意識しましょう。
朝食を抜くと、体内時計が乱れ、糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクが高まります。また、体はエネルギーを節約しようとするため代謝が低下し、余計に太りやすくなります。さらに、脳に必要なブドウ糖が不足し、集中力の低下にもつながります。
● 就寝前に食べない
メラトニンの働きでインスリン分泌が低下し、血糖値が上がりやすくなります。
● 夕食が遅くなる日は分食する
おにぎりだけ先に食べて、帰宅後は具沢山スープなど軽めの副菜を取ると良いです。
炭水化物は筋肉のエネルギー源。
不足すると筋肉が分解されてしまうため、極端な糖質制限は逆効果です。
例: ごはん、パン、麺、芋類、かぼちゃ、とうもろこし
たんぱく質を多く含み、筋肉や血液の材料になります。
例: 肉、魚、卵、大豆製品
食物繊維・ビタミン・ミネラルが豊富で、血糖値の上昇を防ぎます。
例: 野菜全般(芋類を除く)、海藻、きのこ、こんにゃく
副菜は 1食あたり120g が目安。
生野菜なら両手一杯、加熱野菜なら片手一杯が目安です。

健康寿命を延ばすためには、日々の積み重ねが何より大切です。
特に、血糖値を安定させる食事は、糖尿病をはじめとした生活習慣病の予防・改善に直結します。
この2つの習慣が、あなたの未来の健康を大きく変えます。
無理をせず、できることから少しずつ取り入れていきましょう。