【科学的根拠】たった4週間で体力をつける方法

運動


1カ月で体力を向上させる科学的アプローチ ― 忙しい人でもできる疲れにくい身体づくり

「1日の終わりにはいつも疲れ切ってしまう」「体力がなく、仕事や家事をこなすだけで精一杯」。そんな悩みを抱える人は多いものです。体力をつけるためには運動が効果的だと分かっていても、忙しくて時間がとれない、続ける自信がないという声もよく聞かれます。しかし、科学的根拠に基づいた方法を取り入れれば、わずか1カ月でも体力を向上させ、疲れにくい身体を手に入れることは可能です。

まず、「短期間で体力を上げることは本当にできるのか」という疑問が浮かぶかもしれません。2023年に学術誌「Sports Medicine」に掲載されたレビューによれば、適切な運動プログラムと生活習慣の改善を組み合わせることで、わずか4週間でも持久力や筋力を向上できることが報告されています。もちろん個人差はありますが、無理のない範囲で1カ月続けることで確実に体力アップが期待できます。

それでは、具体的な方法を詳しく見ていきましょう。


1.体力向上の基本は「運動」––短時間でも効果は出る

体力を高めるためには、まず「運動」が欠かせません。運動によって心拍数が上がると、心臓や呼吸に関わる筋肉が鍛えられ、全身にエネルギーを届ける能力が向上します。また、細胞内でエネルギーを生み出す小器官であるミトコンドリアの質と量が増え、疲れにくい身体になります。

「運動は時間がない」「長時間続けられない」という人もいるかもしれません。しかし、実はたった5分の運動でも体力を向上できることが近年の研究で分かっています。短時間でも負荷を適切にかければ、長時間の運動と同等、あるいはそれ以上の効果を得られることがあるのです。


2.最短40秒で効果を実感!高強度インターバルトレーニング(HIIT)

忙しい人でも始めやすい運動として注目されているのが、高強度インターバルトレーニング(HIIT)です。HIITは、「20秒程度の激しい運動」と「短い休憩」を繰り返すシンプルなトレーニング法で、わずか数分でも心肺機能を大幅に高めることができます。

●HIITの具体例

  1. 20秒:素早い腕立て伏せ
  2. 10秒:休憩
  3. 20秒:再び素早い腕立て伏せ
  4. 10秒:休憩
    これを2〜4セットほど繰り返します。

20秒の運動は、腕立て伏せに限らず、ダッシュ、縄跳び、バーピージャンプ、腿上げなど、心拍数が上がるものであれば何でもOKです。ある程度体力がある人はダッシュやジャンプ系が効果的ですが、体力に自信がない場合は、速歩や軽い腿上げでも問題ありません。

HIITは短時間で心拍数を大きく変動させることで心肺機能を鍛え、ミトコンドリアの増加を促します。実際に、「数分間のHIITが、30分の有酸素運動に匹敵する効果を生む」ことを示す研究も報告されています。

ただし、やりすぎると疲労が蓄積し逆効果になるため、「少しきつい」と感じる程度から始め、無理なく継続することが大切です。


3.筋力トレーニングで疲れにくい身体を作る

HIITと並行して行いたいのが筋力トレーニングです。筋力が向上すると、身体を効率よく動かせるようになり、作業や運動による消耗が減ります。また、筋トレによって分泌される成長ホルモンやテストステロンは、疲労回復を早める効果があります。

●おすすめの筋トレ:スクワット

スクワットは下半身の大きな筋肉を一度に鍛えられるため、エネルギー効率の向上や心肺機能の改善にもつながります。

正しいスクワットのポイント

  • 足は肩幅に開き、つま先はやや外側へ
  • 背筋を伸ばし、猫背にならないよう正面を見る
  • 息を吸いながら腰を落とし、膝が90度程度でキープ
  • 息を吐きながら膝を軽く曲げた姿勢まで立ち上がる
  • 膝は必ずつま先と同じ方向へ向ける

10回を1セットとして、可能であれば3セット行うのがおすすめ。ただし、毎日続けると筋肉の回復が追いつかないため、週2〜3回の頻度で取り組むと効果的です。


4.余裕があれば有酸素運動もプラス

余裕がある人は、ジョギングやランニングなどの有酸素運動を週2回ほど取り入れると、心肺機能をより効率的に高められます。30分程度の軽いランニングや早歩きで十分効果があります。

ただし、HIITを行った日は疲労が溜まりやすいため、有酸素運動は控えるなど、メリハリをつけることが大切です。


5.体力向上には食事も重要––特にタンパク質と糖質を意識する

体力がない人が見落としがちなのが「食事」です。運動だけでは体力は十分に向上せず、筋肉の修復やエネルギー補給のためには適切な栄養摂取が不可欠です。

●タンパク質は体重1kgあたり1.2〜1.6gが目安

2022年の「Nutrients」によるメタアナリシスでは、筋力向上と疲労回復のためには体重1kgあたり1.2〜1.6gのタンパク質摂取が推奨されています。

例:体重60kg → 72〜96gのタンパク質

  • 鶏むね肉100g:25g
  • 卵1個:6g

肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などをバランスよく取り入れましょう。

●糖質も重要なエネルギー源

米、パスタ、パン、芋などの糖質は、体を動かすために欠かせないエネルギー源です。特に、玄米や全粒粉などの「ゆっくり吸収される糖質」は血糖値の急上昇を防ぎ、食後の疲れを軽減します。

玄米にはビタミンB1やγ-オリザノールなどの疲労回復成分も含まれており、疲れにくい身体づくりに役立ちます。

●「いつ食べるか」も大切

運動後の30分〜2時間は、筋肉が栄養を取り込みやすい「ゴールデンタイム」です。タンパク質と炭水化物をセットで摂ることで、筋肉とエネルギーの回復がスムーズになります。


6.1カ月後には「疲れにくい自分」に出会える

ここまで紹介したように、適切な運動と食事を組み合わせれば、1カ月でも体力は十分に向上します。

  • HIITで心肺機能とミトコンドリアを強化
  • 筋トレで身体を動かしやすくする
  • 栄養バランスの整った食事で疲労回復を促す

無理のない範囲で週2〜3回の運動から始めれば、最初の2週間は疲れを感じることがあっても、徐々に「体が軽くなった」「仕事終わりでも元気が残っている」といった変化を実感できるはずです。

激しい運動や極端な食事制限は逆に体を壊す原因になるため、あくまで「ほどほど」「継続」を大切にしましょう。

1カ月後の自分がどう変わるか、ぜひ今日から実践して確かめてみてください。
あなたの体力は、必ず変わります。