アトピー性皮膚炎が悪化する食べ物とは?肌の湿疹トラブルを改善する食事について解説!

食事

アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹が慢性的に続く皮膚の疾患です。子どもから大人まで幅広い世代にみられ、特に日本では人口の約1割がアトピー性皮膚炎を抱えているといわれています。小児期にいったん症状が落ち着いても、成人してから再び悩まされるケースも少なくありません。近年では環境要因や生活習慣、ストレス、食事との関係など、多くの側面から研究が進められています。本記事では、その中でも「食事」とアトピー性皮膚炎の関係について、現在知られている知見をまとめてご紹介します。


■ アトピー性皮膚炎とはどのような疾患か

アトピー性皮膚炎の特徴は、何よりも「かゆみのある湿疹が続く」という点です。皮膚のバリア機能が弱くなることで、外部からの刺激や乾燥に対して皮膚が敏感な状態になり、炎症を繰り返してしまいます。

皮膚のバリア機能とは、本来、外からの異物や刺激、乾燥から身体を守る働きを持つ重要な役割です。しかし、この機能が低下すると刺激が侵入しやすくなり、免疫反応が過剰に起こって炎症が続きます。その結果、かゆみを感じる神経が皮膚表面に近い位置まで伸び、よりかゆみを感じやすくなるという悪循環が生まれます。かゆみがひどくなると掻きむしってしまい、バリア機能がさらに破壊され、炎症が治らない状態が慢性的に続いてしまうのです。


■ アトピー性皮膚炎を悪化させるとされる要因

アトピーの症状を増悪させる因子としては、以下のようなものが知られています。

  • 環境汚染物質
  • 花粉
  • 香水、デオドラントなどの皮膚に触れる製品
  • 心身のストレス

これらの要因に加えて、遺伝的な素因も関係するといわれており、家族にアトピー体質の人がいる場合、発症リスクが高まることも知られています。

さらに、近年注目されているのが「特定の食品とアトピー症状の悪化」の関連です。


■ アトピー性皮膚炎と食べ物の関係

これまでの研究では、小麦、ナッツ類、卵、乳製品といった特定の食品が、アトピー症状を悪化させる可能性が指摘されています。例えば、これらの食品を除去した結果、湿疹が改善したと感じる人が一定数存在するという報告もあります。

一方で、これらの食品を除去しても全く改善が見られないケースもあり、効果には個人差が大きいと考えられています。また、極端な食事制限は栄養不足のリスクがあるため、医療の現場では食事制限を積極的に勧めるケースは多くありません。治療の中心はあくまで薬物療法であり、必要な栄養を十分に摂ることもとても重要です。

さらに、例えば「乳製品が悪い」と一概に言い切れない点もあります。牛乳にはビタミンDが含まれており、その濃度が症状にどう影響するのかについては議論が分かれており、明確な結論は出ていません。

しかしながら、10件の臨床試験のデータ(約600名分)をまとめた研究や、アトピー患者・その家族へのインタビュー調査では、上述の食品を除いたところ「約半数の人に症状の改善が見られた」という結果も報告されています。


■ どの食品が影響しているかを調べる方法

アトピー悪化に関係する食品を調べるために、血液検査(IgE検査)を行うこともありますが、検査で陰性の場合でも腸内で炎症を起こしているケースは珍しくありません。そのため、検査結果だけで判断するのではなく、実際に「食事介入」を行う方法がよく用いられます。

■ 食事介入の基本ステップ

  1. 小麦、卵、乳製品、ナッツ類などの中から一つ選ぶ
  2. その食品を1か月間徹底して避ける
     ・小麦の場合、パンやパスタだけでなく、調味料にも含まれることがあるため、細かくチェックする必要があります。
  3. 1か月後にその食品をあえて再び食べてみる
  4. 症状が悪化するかどうかを確認する

この方法により、自分にとってどの食品が症状悪化の原因になり得るのかを把握できます。

この作業を複数の食品で1か月ごとに繰り返すことで、自分に合わない食べ物を特定できる可能性があります。実際にこの方法を試し、食事を変えただけでアトピー性皮膚炎が大きく改善した人や、薬の量を減らせた人もいます。ただし、効果は人により異なるため、あくまで「試してみる価値がある対策のひとつ」として捉えることが大切です。


■ まとめ:食事はアトピー改善の可能性を広げる選択肢

アトピー性皮膚炎の治療は、薬物療法を中心に行われるのが一般的ですが、食事の見直しが症状改善の一助となるケースもあります。特に普段あまり食生活を意識していない場合は、一度じっくりと1か月単位で食事を整えてみることで、思わぬ改善が期待できるかもしれません。

ただし、極端な食事制限は健康を害する可能性もあるため、必要に応じて医師や専門家に相談しながら行うことをおすすめします。自分の体に合う食事を知ることは、アトピーとの向き合い方を大きく変える一歩となるでしょう。