食事
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◆気分上々!頭脳明晰!心と脳に効く食べ物とは
私たちの脳は、しばしば「F1マシン」に例えられます。超高性能であるがゆえに、わずかな栄養不足でも動きが鈍くなり、本来の力を発揮できなくなってしまうのです。もし脳が必要とする栄養素が不足すれば、まるでF1マシンが子どものゴーカートのようにパワーを失い、頭の回転は鈍り、気持ちも沈みがちになります。うつ病はF1エンジンでいえば“オイル切れ”、アルツハイマー病は“エンジン内部にゴミが溜まった状態”と表現されます。それほど脳は、繊細で栄養状態に影響されやすい器官なのです。
つまり、脳が持つ本来のポテンシャルをフルに引き出すためには、適切な栄養素の摂取が欠かせません。脳が快適に働けば働くほど思考力は増し、気持ちは明るく、性格さえ前向きに変化します。今回は、そんな“心と脳に良い食べ物”を6つのカテゴリーに分けてご紹介します。
「頭が良くなる食品」「心が明るくなる食品」「エネルギーがみなぎる食品」「記憶力を高める食品」「心を落ち着かせる食品」「脳の老化を抑える食品」のベスト2を順に見ていきましょう。
◆1. 頭が良くなる食品ベスト2

●1つ目:オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は脳の材料の一つであり、これが不足すると脳機能全般が低下します。さらに脳細胞を柔らかく保つ働きがあり、細胞が柔らかいほど神経伝達がスムーズに行われ「頭が切れる」状態になります。逆に固くなると伝達効率が落ち、思考が鈍くなってしまいます。
摂れる食品: 鮭、秋刀魚、鰯、鮪、じゃこなどの青魚。苦手な方はクルミ、エゴマ油、アマニ油でも代用できます。
オメガ3は心臓病やアルツハイマー病の予防効果も高く、青魚を週1回食べる人はアルツハイマー病の発症率が約半分というデータもあります。WHOが乳児用ミルクに配合を推奨するほど、重要な栄養素です。
●2つ目:カレー(クルクミン)
カレーに含まれるクルクミンは、摂取後すぐに脳を活性化させ、IQが7ポイント上昇するという研究結果もあります。インド人の認知症がアメリカ人の4分の1と極端に少ない理由も、クルクミンの摂取量が多いからだと考えられています。記憶力向上や幸福感の増加など、多くのメリットが確認されています。
◆2. 心が明るくなる食品ベスト2

●1つ目:トリプトファン・チロシン
うつの原因とされるセロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンの不足。その原料になるのがトリプトファン(セロトニンの材料)とチロシン(ドーパミン・ノルアドレナリンの材料)です。不足すると心が不安定になり、やる気も低下します。またトリプトファンは睡眠ホルモン「メラトニン」の材料でもあるため、寝つきの悪い方にも重要です。
摂れる食品: バナナ、乳製品、大豆製品、アーモンド。
●2つ目:ビタミンB6
トリプトファンをセロトニンへと変換する際に不可欠なのがビタミンB6です。これが不足すると心の安定が崩れやすくなります。また、ストレスによって大量に消費されるため、ストレスが多い時期ほど積極的に摂りたい栄養素です。
摂れる食品: 青魚、鶏肉、バナナ、レバー。
◆3. エネルギーがみなぎる食品ベスト2

●1つ目:ビタミンB1
脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖。そのブドウ糖をエネルギーに変換するのがビタミンB1です。不足すると脳のエネルギーが枯渇し、心身ともに元気をなくしてしまいます。
摂れる食品: 豚肉、うなぎ、胚芽米、大豆製品。
●2つ目:亜鉛
亜鉛は精力のイメージが強いですが、実は精神の安定に大きく関わります。不足すると、うつ、不安、多動、摂食障害、統合失調症などのリスクが高まるとされます。特に日本人には亜鉛不足が多いとも言われています。
摂れる食品: 牡蠣、レバー、アーモンド、ごま、納豆、チーズ。
ストレスが多い人、飲酒量が多い人、ホルモンバランスが乱れやすい人は、より多くの亜鉛が必要です。
◆4. 記憶力が良くなる食品ベスト2

●1つ目:レシチン
レシチンは、記憶力向上に関わる神経伝達物質「アセチルコリン」の材料です。集中力を高め、心を安定させる効果も報告されています。
摂れる食品: 卵、大豆製品。
●2つ目:ナイアシン
「記憶のビタミン」とも呼ばれ、ある研究では140mgのナイアシンを毎日摂取したところ、記憶力が10〜40%向上したという報告があります。心の健康にも深く関わり、不足すると精神疾患のリスクが高まります。
摂れる食品: キノコ、魚、アーモンド、レバー。
◆5. 心を落ち着かせる食品ベスト2

●1つ目:GABA
GABAは血圧を下げる効果で知られていますが、脳の興奮を抑え、不安やイライラを軽減する働きもあります。睡眠の質改善にも有効です。脳に直接届かないとされてきましたが、摂取すれば精神的ストレスを下げる効果が確認されています。
摂れる食品: トマト、キムチ、納豆などの発酵食品。
●2つ目:カルシウム&マグネシウム
この2つは“天然の精神安定剤”とも呼ばれ、心の落ち着きに大きく寄与します。カルシウム不足は不安やイライラを招き、マグネシウム不足はうつ病や月経前症候群に関係します。
カルシウム: 魚、海藻、乳製品、アーモンド
マグネシウム: 海藻、アーモンド、ほうれん草、ごま
◆6. 脳の老化を抑える食品ベスト2

●1つ目:ビタミンE
体内で発生する活性酸素を無害化し、脳の老化を防ぐ抗酸化ビタミン。若々しい脳を保つために欠かせません。
摂れる食品: アーモンド、ほうれん草、ブロッコリー、うなぎ、胚芽押麦。
●2つ目:ビタミンC
ビタミンEと同様に活性酸素を除去するほか、体中のさまざまな機能を支える欠かせない栄養素です。ストレスによって大量に消費されるため、心の不調を感じるときには特に意識して摂りましょう。
摂れる食品: 果物、野菜全般、ビタミンC強化食品。
◆心と脳に悪い食べ物

良い食べ物をご紹介してきましたが、逆に避けたいものもあります。
● トランス脂肪酸(スナック菓子、ファストフード)
脳機能を低下させ、心臓病や脳卒中のリスクも上昇。
● 白砂糖
血糖値を乱高下させ精神不安定の原因に。ビタミン・ミネラルを奪う作用もあり、IQが25ポイント低いという研究もあります。
● アルコール(飲み過ぎの場合)
うつの原因となり、脳細胞の破壊も引き起こします。1日1杯程度なら問題なし。
● カフェインの摂りすぎ(コーヒー5杯以上)
うつ、疲労、やる気の減退の原因に。緑茶や紅茶、栄養ドリンクにも含まれるため注意が必要です。

心と脳に良い食品は、食べれば食べるほど効果が高まるわけではありません。大切なのは“不足させず、安定的に摂ること”。栄養が過不足なく供給されることで、脳は本来のパフォーマンスを発揮します。
今回よく登場した食材はアーモンド、バナナ、魚。とはいえ、毎日これらを大量に食べるのは難しいという方もいるでしょう。そんな場合はサプリメントの活用も一つの方法です。特に マルチビタミンとマルチミネラル は、脳機能を底上げする研究結果が多数あります。これらをまとめて摂れる「マルチビタミン&ミネラル」も便利です。
心と脳は、私たちの生活の中心となる大切な器官。毎日の食事を少し工夫するだけで、気持ちは軽く、頭はクリアに、人生そのものが明るく変わっていきます。今日からぜひ、脳に良い食べ物を少しずつ取り入れてみてください。